
新型コロナウイルスの流行で、アルコール消毒液の品薄状態が続いています。
そんなお悩みの方に、アルコール消毒液に取って代わる強力な消毒液『次亜塩素酸水』を紹介します
次亜塩素酸水はアルコールより強力しかも安全
次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)は、塩酸または塩化ナトリウム(食塩)を電気分解することでできる次亜塩素酸が主成分の水溶液です。
「塩素」と付くことからハイターなどのアルカリ性の液体を想像しがちですが、次亜塩素酸水は酸性の液体です。
塩素の濃さによって『強酸性次亜塩素酸水』『弱酸性次亜塩素酸水』『微酸性次亜塩素酸水』の3種類があり、それぞれ『強酸性電解水』『弱酸性電解水』『微酸性電解水(ソフト酸化水)』ともいいます。
名称 | pH | 有効塩素濃度 | 別名 |
---|---|---|---|
強酸性次亜塩素水 | 2.7 以下 | 20~60 ppm | 強酸性電解水 |
弱酸性次亜塩素水 | 2.7~5.0 | 10~60 ppm | 弱酸性電解水 |
微酸性次亜塩素水 | 5.0~6.5 | 50~80 ppm | 微酸性電解水 ソフト酸化水 |
次亜塩素酸水は強力
万能な消毒液だと思われているアルコールでも、例えば冬に猛威を振るうノロウイルスには全く効果がありません。
その他、芽胞菌(がほうきん)というダメージを受けると殻を作って防御するタイプの細菌類にもアルコール消毒液は効きません。
次亜塩素酸水はノロウイルスや芽胞菌にも効果があることが確認されています。
もちろんアルコールと同じく インフルエンザ や O-157 にも効果バツグンです。
次亜塩素酸水は安全
次亜塩素酸水は食品添加物(殺菌科)に指定されています。
食品工場や医薬研究施設の消毒にも使用されている安全な消毒液です。
僕が以前勤めていた研究所でもクリーンルーム(無菌室)の消毒に微酸性次亜塩素水を使っていました。
アルコール消毒液と比べお肌に優しく、また誤って飲み込んでしまっても安全ということで、うがいや洗顔に使っていた研究員もいたくらいです。
次亜塩素酸水の使い方
スプレーボトルに入れて噴霧消毒したり、雑巾に浸して拭き掃除に使うのが基本的な使い方。
バケツに溜めて消毒したいものを浸すという使い方もできます。
また、冬では加湿器の水の代わりに次亜塩素酸水を使うことでお部屋の空気を除菌することもできます。
この使い方はアルコールやハイターを薄めたものでは絶対にできません。
次亜塩素酸水には消臭効果もあるので、台所の排水口や三角コーナーのようなニオイの気になる場所に流したりスプレーで噴きかけたりするのもオススメです。
クリクラ 空間除菌・消臭サービス【ZiACO(ジアコ)】は次亜塩素酸水と噴霧器がセットになっています。
オフィスやリビングの空気を次亜塩素酸水の力で除菌&消臭できます。
無料お試しがあるので、ぜひ次亜塩素酸水の効果を実感してください。
次亜塩素酸水の欠点・注意点
アルコール消毒液より優れているように思える次亜塩素酸水ですが、もちろん欠点や使用上の注意点があります。
乾きにくい
揮発性の高いアルコールと違い、ベースが水なのでなかなか乾きません。
スプレーなどで噴霧したあと、濡れたままが気になるなら雑巾などで拭き取りましょう。
ちょっと匂う
ハイターほどではありませんが、若干の塩素臭がします。
苦手な人は換気して使いましょう。
腐食作用や漂白作用がちょっとある
ハイターほどではありませんが、金属やプラスチックを劣化させることがあります。
長時間の浸け置きは避けた方がよいでしょう。
また、わずかですが漂白作用もあります。
ジーンズなどの染色された布は色落ちすることがあります。
汚れに弱い
次亜塩素酸水は有機物に触れると効果が激減します。
消毒したい場所が油などで汚れている場合は、洗剤などである程度キレイにしてから次亜塩素酸水を使いましょう。
保存がきかない
次亜塩素酸水は空気に触れると効果が徐々に薄れていきます。
一度開封して空気に触れてしまったものは早めに使い切りましょう。
値段がちょっと高い
アルコール消毒液に比べると少々お高い代物です。
精製済みの微酸性次亜塩素酸水で1リットルあたり1,000円くらいが相場です。
ただし、新型コロナウイルス流行の影響でアルコール消毒液の価格が高騰している今なら、次亜塩素酸水のほうが安く買えます。
定期購入なら安く買うことができます。
毎月10リットル近く送られてくるので、使い切れないようならお友達やご近所でシェアしてもいいですね。
次亜塩素酸水は自分で作れる?
精製済みの次亜塩素酸水はネット通販でも購入できますが、自分で精製することもできます。
僕の努めていた研究所では、この機械で毎日大量に微酸性次亜塩素酸水を作っていました。

気になるお値段ですが、なんと!
2,900,000 円
う〜ん…、ちょっと一般人には手が出ませんね💧
同じメーカーのコンパクトサイズでも 75万円 くらいします。
安全な次亜塩素酸水を自分で作るには、これくらいの出費は必要です。
注意
amazon などで「次亜塩素酸水」と検索すると、このような安価な生成器がヒットします。
次亜塩素酸水生成器という名前で売られているものもありますが、この生成器で作れるのは『電解次亜水(でんかいじあすい)』です。
電解次亜水は弱アルカリ性の液体で、次亜塩素酸水と同じように殺菌・消毒効果がありますが、次亜塩素酸水よりも金属を腐食させたり漂白作用が強いため取扱いには注意が必要です。
ハイター(水で薄めたものも含む)と違い肌に触れても平気ですが、口に含んだりするのはやめたほうがよいでしょう。
とはいえ、殺菌・消毒効果は十分あり消臭もできるので、取扱いに気をつけたうえで消毒液として使用するのは全く問題ありません。
まとめ
以上、アルコール消毒液の代わりになる強力で安全な『次亜塩素酸水』の紹介でした。
最後に次亜塩素酸水のメリットとデメリットをまとめます。
メリット
デメリット
- 乾きにくい
アルコールのように揮発しません - ちょっと匂う
若干の塩素臭がします - 腐食と漂白
わずかですが金属・プラスチックを劣化させることがあります
染色された布は色落ちする場合があります - 汚れに弱い
有機物に触れると効果が激減します - 保存がきかない
空気に触れると効果が徐々に薄れていきます - 価格が割高
アルコール消毒液やハイターより少々高いです
次亜塩素酸水はあまり知られていない消毒液ですが、その消毒・除菌効果はバツグンです。
アルコールの代わりというよりも、これからはメインの消毒液としてはいかがでしょうか。