
動画の圧縮・変換作業を寝ている間にやってくれる静音PCが欲しくて、先日 Intel の BOXNUC6CAY(Windows 10 プリインストールモデル)を購入しました。
今回の記事は、この小型のパソコンで動画を圧縮・変換するのにどれくらい時間がかかったのか、その報告です。
Intel BOXNUC6CAY の性能
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基本スペック
Windows 10 プリインストールモデルはこの1種類。
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Intel Celeron J3455 Processor |
コア数 | 4コア4スレッド |
クロック数 | 1.5GHz / (バースト時)2.3GHz |
ストレージ | 32GB eMMC(オンボード) |
メモリ | 2GB |
グラフィックス | Intel HD Graphics 500 |
CPUは最新式ながらお世辞にも高性能とは言えない Celeron J3455 。
CPUに詳しくない人のために大ざっぱに説明すると、インテルのCPUは Atom < Celeron < Pentium < Core i シリーズの順に性能が上がります。つまり、このパソコンのCPUは下から2番目クラスの性能です。
オンラインゲームは?
動画変換とは直接関係ありませんが、このパソコンのスペックでは3Dオンラインゲームを遊ぶのもなかなかキビしいです。
↓は「ドラゴンクエストX」のベンチマーク結果。
グラフィック設定を調整し画質を落とすなどしなければ快適な動作が期待できません。
果たしてこのパソコンで快適な動画変換作業は可能なのか?
HandBrake で動画変換
変換には HandBrake というフリーソフトを使います。
サンプル➊
使用するサンプル動画は以下のとおり。
動画の種類 | 再生時間 | ファイルサイズ | 音声 | 字幕 |
アニメーション | 25 分 | 1.5 GB | あり | なし |
HandBrake の設定はプリセットの「High Profile」を選択。Encoder Tune を「Animation」にする以外はデフォルトのまま。作成する動画フォーマットは「MKV」にします。
この設定で、Encoder Preset を Ultrafast から Placebo の10段階それぞれで変換にかかる時間を調べました。
結果は以下のとおり。
Encoder Preset | 所要時間 | ファイルサイズ | 圧縮率 |
Ultrafast | 4 分 | 261.3 MB | 17.4 % |
Superfast | 5 分 | 232.5 MB | 15.5 % |
Veryfast | 6 分 | 95.2 MB | 6.3 % |
Faster | 8 分 | 114.0 MB | 7.6 % |
Fast | 11 分 | 123.0 MB | 8.2 % |
Medium | 14 分 | 115.4 MB | 7.7 % |
Slow | 22 分 | 116.9 MB | 7.8 % |
Slower | 35 分 | 108.3 MB | 7.2 % |
VerySlow | 45 分 | 100.5 MB | 6.7 % |
Placebo | 4 時間 10 分 | 103.0 MB | 6.9 % |
デフォルトの Medium で元ファイルの再生時間の約半分で変換完了しました。
圧縮率は Medium 以降はそこまで大きな差がないですが、時間に余裕があれば VerySlow を選択しておけばよさそうです。
サンプル➋
次に試してみたのは↓の動画。
動画の種類 | 再生時間 | ファイルサイズ | 音声 | 字幕 |
実写動画 | 2 時間 12 分 | 5.5 GB | あり | あり |
サンプル➊ と違うのは、Encoder Tune を「Film」にしたくらいで他は同じ設定。
今回は時間がなくて「Ultrafast」「Medium」「Placebo」の3段階での計測結果です。
Encoder Preset | 所要時間 | ファイルサイズ | 圧縮率 |
Ultrafast | 19 分 | 2,235.2 MB | 40.6 % |
Medium | 1 時間 2 分 | 1,048.4 MB | 19.0 % |
Placebo | 17 時間 45 分 | 972.4 MB | 17.7 % |
ここでも Medium で元ファイルの再生時間の半分程度で変換完了しました。
ちなみに、デフォルト設定のように Quality の項目で「Constant Quality」を選択した場合、変換時間を長くとるほどファイルサイズを小さくできますが、画質にはほとんど差はありません。
一方、「Avg Bitrate」を選択した場合は時間をかけるほど画質が向上します。
まとめ
以上から、マシンスペックのそれほど高くない BOXNUC6CAY でも、HandBrake を使った動画の変換は実用レベルで可能とわかりました。
新品で3万円ほどの安PCにしてはなかなか使えるやつのようです。
ファンレスの静音PCなので、寝ている間に人知れず変換作業を進めることもできます。早速今夜から馬車馬のごとく働いていただきましょう。